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【AI予測の時代】Einstein予測ビルダーを導入する前の注意点

作成者: 原 友香|2020/50/22

Einstein予測ビルダー・導入前の心構え!

こんにちは!マーケティングデザインの原です。
弊社の関連会社マックスヒルズは現在、
SalesforceのAI予測分析「Einstein予測ビルダー」のパイオニアプログラムに参加しております。
日本ではまだまだ数少ない、活用事例への取り組みです。
活用プロジェクトで困ったことやTIPS等随時ブログでレポートしたいと思います。今回は【心構え編】です!

 

 ◆目次◆

  1. 【おさらい】Einstein予測ビルダーとは?
  2. AIが算出した予測スコアを何に使うのか?
  3. 【導入前の心構え①】AIは全知全能の神ではない
  4. 【心構え②】社内のデータを知ること
  5. 【心構え③】サンプルのデータ数は足りている?
  6. 【心構え④】本当にEinsteinが必要なのか?活用ゴールから考えよう

【おさらい】Einstein予測ビルダーとは?


SalesforceのEinstein予測ビルダーをご存知でしょうか?

『Salesforceにあるデータから機械学習の予測モデルを作ることができる』機能となります!

下記は詳しいEinstein予測ビルダーの解説になります。

AIを活用するのはハードルが高そうと思いがちですが、ノンコーディングで既存のデータを分析し予測をすることが出来ます。

過去ブログもチェック👉【AI予測の時代】SalesforceのEinstein予測ビルダーのパイオニアプログラムに参画中

 


Einstein予測ビルダーとは?
・誰もが簡単にSalesforceにあるデータから機械学習の予測モデルを作ることができる
・専門的な知識は不要でマウス操作のみで作れる
・はい/いいえの 2択の質問項目と、数値項目を予測することができる

AIを使ったカスタムの予測モデルがノーコードで構築 Einstein予測ビルダーを提供開始
Trailheadで予測ビルダーについて詳しく見る

 AIが算出した予測スコアを何に使うのか

とはいえ、なかなかAIで算出したスコアを実際Salesforce上で何に活用すれば良いのか、分からない方も多いかもしれません。

こちらはアウトプットの一例です。

予測スコアの活用はそれぞれだと思いますが、イメージ例として予測スコア(ex:顧客の離脱予測)を算出した後、

取引先上でコンポーネントを表示させ、『営業担当者にフォローアップをお願いし、離脱を未然に防いでもらう』ということが可能になります。

実はこちら、Spring20でリリースされた機能なんです!それまでは簡単にコンポーネント表示することが出来ませんでした。

 

離脱スコアを見える化するだけではなく、なぜ離脱可能性が高いかの”要因”も表示してくれるところが素敵な機能です。

下記設定の箇所で”オフ”を”オン”にすれば取引先に表示されるようになります。

★参考:リリース記事★
取引先タブにコンポーネントの埋め込みが可能に(Spring20でアップデート)
 
 

【導入前の心構え①】 AIは全知全能の神ではない

AIで算出された『〇〇スコア』をうまく活用することが出来れば、企業の売上や利益増加に貢献することが出来るということ、分かって頂けたかと思います。

ただし、注意が必要なのは、AIは全知全能の神...ではないということです。

あくまで、『既存に蓄積されたデータ』を学習して、アウトプットを出しているという仕組みを忘れないで下さい。

良くも悪くも、そもそものデータが「正しいもの」でなければ、アウトプットに歪みが出てしまうのです。

なかなかイメージがわかないかもしれませんが、何も知らないピュアな天才児の【AI君】で考え見ましょう。

(私の中でAIは、ものすごいピュアで嘘をつくことが出来ない、常人離れした処理能力をもつ天才児だと思っています…笑)

上記の物体を、食べ物図鑑の名称対応表に「バナナ」と書いてあったとします。

それを天才児【AI君】が学習しまうと、どんな品種のリンゴを見せても「これはバナナだ!」と言いはります。

誰かが訂正しない限り、ラベリングが「写真の物体=バナナ」だからです。

イメージがつきましたでしょうか?

データそのものが「正」でなければ、アウトプットに歪みが出てしまうのです。

正しい運用で適切なものが入力されていない場合、残念ですが、もはやEinsteinは宝の持ち腐れとなってしまいます。

その点は、ぜひ、大前提として注意して頂きたいです。AI活用の前段階として、下記トレイルにも良いコンテンツがあったのでぜひ参考にしてみて下さい。

 

★参考トレイル:AIデータ関連
 
Trailheadで予測ビルダーについて詳しく見る
AI とは何か、AI が CRM とカスタマーエクスペリエンスをどのように変えるかについて説明します。

【心構え②】社内のデータ・運用を知ること

 

先程もお話したように、残念ながらデータが『正しく入力されていない』『正しいラベリングが出来ていない』

つまりデータがリアルな現状、運用状況を反映していない…となりますと、実装したとしても、企業活動に貢献する良いアウトプットは生まれません。

天才的なEinsteinの機能を無意味なものとします。

そうならない為にも、これを機会に一度、社内データの構造を整理・確認しておいた方が良いでしょう。

まずそれが出来ていることが前提になります。

【心構え③】サンプルのデータ数は足りている?

下記の図は、Einstein予測ビルダーの条件定義をする際の定義シートになります。

Einstein予測ビルダーでは、サンプルとなるデータ(図:ExampleSet)が必要になります。

そのサンプルデータの傾向を分析して、予測値(図:PredictionSet)を出す仕組みとなっているのです。

つまり、十分なサンプルデータがSalesforce内に存在する必要がありますのでご注意を!!

こちらはモデルを作成する際の設定画面です。

画面例となりますが、予測を稼働させるには「データチェック」において一定数のレコードが必要なことが分かりますね。(※2020/1/30時点)

詳しい仕様はこちらのSalesforceヘルプ「Einstein予測ビルダー・データのチェック」をご参照ください。

【心構え④】本当にEinsteinが必要なのか?活用ゴールから考えよう

Einsteinで一体何がしたいのか、を今一度立ち返りましよう。AI分析の力が必要なのか、レポートでは実現出来ないのか…

Einstein予測ビルダーの機能自体を実装するのは意外に簡単です。ノンコーディングですので、プログラミング知識も

特には必要有りません。

実際の運用や、オブジェクト構成を全て把握出来ていた訳ではなかった為、事前準備の段階に時間がかかり、ここがボトルネックになってしまいました。

すぐにEinsteinが実装できる場合と、出来ないケース、明確に分かれることに注意しながら、スタートすることを強くオススメします。

今回のブログで伝えたかったのは下記の4つ!

こんなはずじゃなかった…とならない為にも、ぜひ念頭に置いておくと良いと思います。

◆Einstein導入前の心構え  

  1. ✅AIは全知全能の神ではない
  2. ✅社内のデータ・運用を知ること
  3. ✅サンプルのデータ数は足りている?
  4. ✅本当にEinsteinが必要なのか?活用ゴールから考えよう

次回は、Einstein予測ビルダーの活用ステップを中心に紹介していきたいと思います。

Einstein活用への道は始まったばかりです。引き続き、お楽しみに!

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