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【AI予測の時代】Einstein予測ビルダーを導入する前の注意点

執筆者:原 友香

Einstein予測ビルダー・導入前の心構え!

Einstein_Prediction_step2_01_add2こんにちは!マーケティングデザインの原です。
弊社の関連会社マックスヒルズは現在、
SalesforceのAI予測分析「Einstein予測ビルダー」のパイオニアプログラムに参加しております。
日本ではまだまだ数少ない、活用事例への取り組みです。
活用プロジェクトで困ったことやTIPS等随時ブログでレポートしたいと思います。今回は【心構え編】です!

 

 ◆目次◆

  1. 【おさらい】Einstein予測ビルダーとは?
  2. AIが算出した予測スコアを何に使うのか?
  3. 【導入前の心構え①】AIは全知全能の神ではない
  4. 【心構え②】社内のデータを知ること
  5. 【心構え③】サンプルのデータ数は足りている?
  6. 【心構え④】本当にEinsteinが必要なのか?活用ゴールから考えよう

【おさらい】Einstein予測ビルダーとは?

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SalesforceのEinstein予測ビルダーをご存知でしょうか?

『Salesforceにあるデータから機械学習の予測モデルを作ることができる』機能となります!

下記は詳しいEinstein予測ビルダーの解説になります。

AIを活用するのはハードルが高そうと思いがちですが、ノンコーディングで既存のデータを分析し予測をすることが出来ます。

過去ブログもチェック👉【AI予測の時代】SalesforceのEinstein予測ビルダーのパイオニアプログラムに参画中

 


Einstein予測ビルダーとは?
・誰もが簡単にSalesforceにあるデータから機械学習の予測モデルを作ることができる
・専門的な知識は不要でマウス操作のみで作れる
・はい/いいえの 2択の質問項目と、数値項目を予測することができる

AIを使ったカスタムの予測モデルがノーコードで構築 Einstein予測ビルダーを提供開始
Trailheadで予測ビルダーについて詳しく見る

 AIが算出した予測スコアを何に使うのか

Einstein_Prediction_step2_01_add2

とはいえ、なかなかAIで算出したスコアを実際Salesforce上で何に活用すれば良いのか、分からない方も多いかもしれません。

こちらはアウトプットの一例です。

予測スコアの活用はそれぞれだと思いますが、イメージ例として予測スコア(ex:顧客の離脱予測)を算出した後、

取引先上でコンポーネントを表示させ、『営業担当者にフォローアップをお願いし、離脱を未然に防いでもらう』ということが可能になります。

実はこちら、Spring20でリリースされた機能なんです!それまでは簡単にコンポーネント表示することが出来ませんでした。

 Einstein_Prediction_step2_02

離脱スコアを見える化するだけではなく、なぜ離脱可能性が高いかの”要因”も表示してくれるところが素敵な機能です。

下記設定の箇所で”オフ”を”オン”にすれば取引先に表示されるようになります。

★参考:リリース記事★
取引先タブにコンポーネントの埋め込みが可能に(Spring20でアップデート)
 
 

【導入前の心構え①】 AIは全知全能の神ではない

AIで算出された『〇〇スコア』をうまく活用することが出来れば、企業の売上や利益増加に貢献することが出来るということ、分かって頂けたかと思います。

ただし、注意が必要なのは、AIは全知全能の神...ではないということです。

あくまで、『既存に蓄積されたデータ』を学習して、アウトプットを出しているという仕組みを忘れないで下さい。

良くも悪くも、そもそものデータが「正しいもの」でなければ、アウトプットに歪みが出てしまうのです。

なかなかイメージがわかないかもしれませんが、何も知らないピュアな天才児の【AI君】で考え見ましょう。

(私の中でAIは、ものすごいピュアで嘘をつくことが出来ない、常人離れした処理能力をもつ天才児だと思っています…笑)

green apple with the red one standing out from the crowd - over a white background with reflection

上記の物体を、食べ物図鑑の名称対応表に「バナナ」と書いてあったとします。

それを天才児【AI君】が学習しまうと、どんな品種のリンゴを見せても「これはバナナだ!」と言いはります。

誰かが訂正しない限り、ラベリングが「写真の物体=バナナ」だからです。

イメージがつきましたでしょうか?

データそのものが「正」でなければ、アウトプットに歪みが出てしまうのです。

正しい運用で適切なものが入力されていない場合、残念ですが、もはやEinsteinは宝の持ち腐れとなってしまいます。

その点は、ぜひ、大前提として注意して頂きたいです。AI活用の前段階として、下記トレイルにも良いコンテンツがあったのでぜひ参考にしてみて下さい。

 

★参考トレイル:AIデータ関連
 
Trailheadで予測ビルダーについて詳しく見る
AI とは何か、AI が CRM とカスタマーエクスペリエンスをどのように変えるかについて説明します。

【心構え②】社内のデータ・運用を知ること

Modern notebook computer with future technology media symbols

 

先程もお話したように、残念ながらデータが『正しく入力されていない』『正しいラベリングが出来ていない』

つまりデータがリアルな現状、運用状況を反映していない…となりますと、実装したとしても、企業活動に貢献する良いアウトプットは生まれません。

天才的なEinsteinの機能を無意味なものとします。

そうならない為にも、これを機会に一度、社内データの構造を整理・確認しておいた方が良いでしょう。

まずそれが出来ていることが前提になります。

【心構え③】サンプルのデータ数は足りている?

下記の図は、Einstein予測ビルダーの条件定義をする際の定義シートになります。

Einstein予測ビルダーでは、サンプルとなるデータ(図:ExampleSet)が必要になります。

そのサンプルデータの傾向を分析して、予測値(図:PredictionSet)を出す仕組みとなっているのです。

つまり、十分なサンプルデータがSalesforce内に存在する必要がありますのでご注意を!!

Einstein_Prediction_step2_03

こちらはモデルを作成する際の設定画面です。

画面例となりますが、予測を稼働させるには「データチェック」において一定数のレコードが必要なことが分かりますね。(※2020/1/30時点)

詳しい仕様はこちらのSalesforceヘルプ「Einstein予測ビルダー・データのチェック」をご参照ください。

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【心構え④】本当にEinsteinが必要なのか?活用ゴールから考えよう

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Einsteinで一体何がしたいのか、を今一度立ち返りましよう。AI分析の力が必要なのか、レポートでは実現出来ないのか…

Einstein予測ビルダーの機能自体を実装するのは意外に簡単です。ノンコーディングですので、プログラミング知識も

特には必要有りません。

実際の運用や、オブジェクト構成を全て把握出来ていた訳ではなかった為、事前準備の段階に時間がかかり、ここがボトルネックになってしまいました。

すぐにEinsteinが実装できる場合と、出来ないケース、明確に分かれることに注意しながら、スタートすることを強くオススメします。

今回のブログで伝えたかったのは下記の4つ!

こんなはずじゃなかった…とならない為にも、ぜひ念頭に置いておくと良いと思います。

◆Einstein導入前の心構え  

  1. ✅AIは全知全能の神ではない
  2. ✅社内のデータ・運用を知ること
  3. ✅サンプルのデータ数は足りている?
  4. ✅本当にEinsteinが必要なのか?活用ゴールから考えよう

次回は、Einstein予測ビルダーの活用ステップを中心に紹介していきたいと思います。

Einstein活用への道は始まったばかりです。引き続き、お楽しみに!

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廣見 剛利
代表取締役社長

20代の頃から、営業会社の組織を率いるかたわら、営業の重要性を認識しながらも、営業の限界について自問自答をし続ける。30代でCRMとSFAに出会いその限界を打破する光が見えつつも、変革しなければならないプロセスの多さに愕然とする。40代に入りマーケティングオートメーションと出会い、見込み客獲得から、見込み客教育、商談化のプロセスの自動化について体現する。商談化前が自動化されることにより、商談後の生涯顧客価値を最大化させるプロセスの見える化、見える化による再現性のある営業組織づくりを実現。同じ悩みをもつ日本企業の解決策を提供すべく、マーケティングデザインを設立。詳しくはこちら

三宅 毅
CMO(最高マーケティング責任者)
2000年半導体部品メーカーに入社。企画部門にて3次元CADの導入などによる業務効率化を成功させる。その後、CAE専門企業に移り、マーケティング活動全般、2008年Salesforce導入プロジェクトに関わる。マーケティングの可能性を追求すべく、2015年にBtoBマーケティング専門エージェンシーにて、Pardotなどの最新のマーケテイングオートメーションツールの導入や各種業界を支援。2017年5月より現職マックスヒルズのCMOとしてマーケティング活動から、会社の生産性向上などHR部門も統括。また、マーケティングデザインの設立にも携わり、中小企業における人材の育成にもつとめている。 Salesforceの導入事例として関連会社のマックスヒルズで掲載されました。詳しくはこちら
柴沼 潤
データ サイエンティスト

2019年のはじめに入社し、Salesforce のEinsteinAnalyticsを活用した分析業務に取り組ませていただいております。ダブルワークしており、フリークライマーとしての活動の傍ら業務に取り組んでおります。マーケティングデザインでは私が取り組んできた分析業務の活用事例を紹介させていただくことで、営業支援ツールの導入・活用に役立つ情報を提供していきたいと考えております。機会があれば私自身の勤務の様子をご紹介させていただくかもしれません。ダブルワーク・テレワークといった勤務スタイルがどのように確立されているかなど、興味がある方々にとって有益な情報を発信できるように頑張ります。