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【AI予測の時代】Einstein予測ビルダー活用の10ステップ~準備編~

作成者: 原 友香|2020/51/14

Einstein予測ビルダーで顧客の離脱を防ぐ

こんにちは!マーケティングデザインの原です。

弊社の関連会社マックスヒルズは現在、

SalesforceのAI予測分析「Einstein予測ビルダー」のパイオニアプログラムに参加しております。

日本ではまだまだ数少ない、活用事例への取り組みです。

今回は【活用ステップ・準備編】です!

 

◆目次◆

  1. 【おさらい】Einstein予測ビルダーとは?
  2. Einstein予測ビルダーの活用の10ステップ!
  3. ①予測の目的・活用ゴールを決める
  4. ②関連するオブジェクトの項目・運用状況の確認
  5. ③予測における条件設定を定義する
  6. ④不足する条件の項目をカスタム項目で作成

 【おさらい】Einstein予測ビルダーとは?

SalesforceのEinstein予測ビルダーをご存知でしょうか?

『Salesforceにあるデータから機械学習の予測モデルを作ることができる』機能となります!

下記は詳しいEinstein予測ビルダー、実はノンコーディングで既存のデータを分析し予測をすることが出来ます。

 

こちらはアウプットの一例です。予測スコアの活用はそれぞれだと思いますが、イメージ例として予測スコア(ex:顧客の離脱予測)を算出した後、このように離脱しそうな取引先を、取引先タブのコンポーネントに表示することが出来きます!

『営業担当者にフォローアップをお願いし、離脱を未然に防いでもらう』ということが可能となります。

 


Einstein予測ビルダーとは?
・誰もが簡単にSalesforceにあるデータから機械学習の予測モデルを作ることができる
・専門的な知識は不要でマウス操作のみで作れる
・はい/いいえの 2択の質問項目と、数値項目を予測することができる

AIを使ったカスタムの予測モデルがノーコードで構築 Einstein予測ビルダーを提供開始
★Trailheadで予測ビルダーについて詳しく見る

Einstein予測ビルダー活用の10ステップ!

Einstein予測ビルダーの活用ステップを簡単に紹介していきたいと思います。

組織構造や目的によっては、STEPが前後することがあるかもしれませんが、おおよそこのように手順を踏むのが良いでしょう。

 


★10のステップ概要★【準備編】 👈今回はここを解説!
 ①予測の目的・活用ゴールを決める
 ②関連するオブジェクト項目・運用状況の確認
 ③予測における条件設定を定義する
 ④不足する条件の項目をカスタム項目で作成

【作成編】
 ⑤予測モデル設定
 ⑥予測モデルの比較

【活用編】
 ⑦スコアの表示・レポート出力
 ⑧実際のアクションへの誘導(例:NextBestActionの作成)

【ブラッシュアップ編】
 ⑨フィードバック・効果測定
 ⑩モデル、アクション通知の改善へ

ちなみに、今回私がボトルネックとなったはSTEP②です。

Salesforceシステム管理者として、運用レベルで動作を全把握していた訳ではなかったので、個人的には、このステップに7、8割くらいの労力を使いました。

①予測の目的・活用ゴールを決める

何がしたいか、何の効果を出したいか「目的」と「活用ゴール」を社内でしっかり議論して下さい。
その上で、そもそもEinsteinが必要かどうか考えることが大切です。
実際に予測モデルを作ること自体は、難しいコーディングや設定などはほとんど必要ないので、誰でも簡単にEinstein予測ビルダーを使うことが出来ます。
Einstein予測ビルダーを使うことが目的にならないように注意です!!

◆POINTS

  1. 目的と活用効果を考える
  2. 1をふまえて、Einsteinの力が必要なのかどうか

◆設定目的・弊社事例

  1. Einstein予測ビルダーで、顧客の離脱スコアを算出。顧客の離脱を事前に防ぎ、LTV向上へ
  2. Einstein予測ビルダーで、他商品クロスセル可能性の予測。効率的な商品提案へ

今回のステップ例では、第1目的『離脱スコア』に基づいて説明していきますね。
例が2つ存在すると説明が混乱してしまうといけませんので、クロスセル編は別でブログにUP出来るようにする予定です。

関連するオブジェクトの項目・運用状況の確認

このフェーズが意外と時間がかかりました。

『離脱スコア(第1目的)』を算出する際に、取引先オブジェクトの項目を条件に入れるのですが、古いものを合わせてカスタム項目だけで、130個以上、存在しました。

10年以上Salesforceを使っている、かつ、システム管理者が何度か変更になっていた為、そのように増えてしまったと思います。まず一旦、全部の項目をリスト化し、他部署の営業担当者に現状の運用状況を確認する必要があり、とても骨の折れる作業となりました。

余談ですが、当時のシステム管理者が、必ずしも「備考欄」に説明を丁寧に書いてくれる訳ではありません。

また古い項目は、担当者依存でネーミングもまちまちな場合も。とにかく、データ探偵のような作業が続きました。

大切なのは、項目の使用ステータスと運用状況を把握すること!

使ってない項目(謎項目)を条件に入れても、良くも悪くもEinsteinのモデルは作れてしまいます…

 そして、信頼できないデータを基にイマイチなアウトプットが出てきてしまう、その点が注意ですね。

こちらもぜひ併せてご参考下さい👉【AI予測の時代】Einstein予測ビルダーを導入する前の注意点

③予測における条件設定を定義する

②を乗り越えたら、次の関所は③です。

上記のシート内のポジティブ例、ネガティブ例、スコアリングする該当レコードの対象等を決めていきます。

こちらをベースにして、Einstein予測モデルの設定をしていくので、とても大事な箇所になります。

今回弊社が設定した『離脱スコアモデル』は下記条件になります。

 

 


★離脱スコア算出の条件例【Dataset】
:対象となるデータセット
 取引先(対象オブジェクト)

【Segment】
:Einstein予測分析の基となるサンプルデータ(学習元データ)
 商談が存在する取引先のみ
 (取引先ステージの「未取引」を除く)

【Positive Example】
 
:Einstein予測分析において「スコアが高い」と認識させる「プラス」の例
 既に離脱している
 (
離脱期間が240日以上)
 ※注意:離脱スコアの場合は、離脱例をポジティブの条件にいれます。

【Negative Example】
:Einstein予測分析において「スコアが低い」と認識させる「マイナス」の例
 離脱をせず、長期で契約が続いている 
 (契約期間が1年以上、かつ離脱期間が240日未満)

【Record to score】
:Einstein予測分析において、スコアリング対象となるレコード
  まだ離脱をしていないが、契約期間が短く今後が心配されるもの 
 (離脱期間が240日未満、契約期間が1年未満)

 

業界や業種によって、離脱の定義は様々だと思います。こちらは、あくまで参考程度になれば幸いです!

マックスヒルズでは離脱の定義を、離脱期間240日以上としています。

④不足する条件の項目をカスタム項目で作成

STEP③の条件で不足する項目がある場合は、カスタム項目でEinstein予測ビルダー計算用に作成する必要があります。

③で例として上がっている、「取引先ステージ」「離脱期間」「契約期間」は全てカスタム項目です。

既存の項目で設定出来れば1番良いですが、難しければカスタム項目を作成しましょう。

取引先ステージについてはこちらをぜひ参考に👇

ロイヤル顧客をどう増やす?Salesforceの機能「Einstein Analytics」を使ってCPM分析をしよう

「【AI予測の時代】Einstein予測ビルダーの活用の10ステップ ~準備編~」如何でしたでしょうか?

Einstein予測ビルダーはまだまだ事例が少なく、中々思った通りに進まないことが多いと思いますが、今回このブログが役立ちましたら幸いです!

何事も最初の準備が大切ですので、ぜひこの準備編と前回の導入前の注意点ブログも参考にしながら、活用を検討してみて下さい。

マーケティングデザインでは、Einstein活用のご相談も受け付けておりますので、ぜひ気軽にご連絡下さい。

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