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【AI予測の時代】Einstein予測ビルダー活用の10ステップ~準備編~

執筆者:原 友香

Einstein予測ビルダーで顧客の離脱を防ぐ

Einstein_Prediction_step2_03

こんにちは!マーケティングデザインの原です。

弊社の関連会社マックスヒルズは現在、

SalesforceのAI予測分析「Einstein予測ビルダー」のパイオニアプログラムに参加しております。

日本ではまだまだ数少ない、活用事例への取り組みです。

今回は【活用ステップ・準備編】です!

 

◆目次◆

  1. 【おさらい】Einstein予測ビルダーとは?
  2. Einstein予測ビルダーの活用の10ステップ!
  3. ①予測の目的・活用ゴールを決める
  4. ②関連するオブジェクトの項目・運用状況の確認
  5. ③予測における条件設定を定義する
  6. ④不足する条件の項目をカスタム項目で作成

 【おさらい】Einstein予測ビルダーとは?

SalesforceのEinstein予測ビルダーをご存知でしょうか?

『Salesforceにあるデータから機械学習の予測モデルを作ることができる』機能となります!

下記は詳しいEinstein予測ビルダー、実はノンコーディングで既存のデータを分析し予測をすることが出来ます。

 Einstein_Prediction_step2_01-1

こちらはアウプットの一例です。予測スコアの活用はそれぞれだと思いますが、イメージ例として予測スコア(ex:顧客の離脱予測)を算出した後、このように離脱しそうな取引先を、取引先タブのコンポーネントに表示することが出来きます!

『営業担当者にフォローアップをお願いし、離脱を未然に防いでもらう』ということが可能となります。

 


Einstein予測ビルダーとは?
・誰もが簡単にSalesforceにあるデータから機械学習の予測モデルを作ることができる
・専門的な知識は不要でマウス操作のみで作れる
・はい/いいえの 2択の質問項目と、数値項目を予測することができる

AIを使ったカスタムの予測モデルがノーコードで構築 Einstein予測ビルダーを提供開始
★Trailheadで予測ビルダーについて詳しく見る

Einstein予測ビルダー活用の10ステップ!

blog_Einstein_Prediction_step01_01

Einstein予測ビルダーの活用ステップを簡単に紹介していきたいと思います。

組織構造や目的によっては、STEPが前後することがあるかもしれませんが、おおよそこのように手順を踏むのが良いでしょう。

 


★10のステップ概要★【準備編】 👈今回はここを解説!
 ①予測の目的・活用ゴールを決める
 ②関連するオブジェクト項目・運用状況の確認
 ③予測における条件設定を定義する
 ④不足する条件の項目をカスタム項目で作成

【作成編】
 ⑤予測モデル設定
 ⑥予測モデルの比較

【活用編】
 ⑦スコアの表示・レポート出力
 ⑧実際のアクションへの誘導(例:NextBestActionの作成)

【ブラッシュアップ編】
 ⑨フィードバック・効果測定
 ⑩モデル、アクション通知の改善へ

ちなみに、今回私がボトルネックとなったはSTEP②です。

Salesforceシステム管理者として、運用レベルで動作を全把握していた訳ではなかったので、個人的には、このステップに7、8割くらいの労力を使いました。

①予測の目的・活用ゴールを決める

Einstein_EPB_step3_01

何がしたいか、何の効果を出したいか「目的」と「活用ゴール」を社内でしっかり議論して下さい。
その上で、そもそもEinsteinが必要かどうか考えることが大切です。
実際に予測モデルを作ること自体は、難しいコーディングや設定などはほとんど必要ないので、誰でも簡単にEinstein予測ビルダーを使うことが出来ます。
Einstein予測ビルダーを使うことが目的にならないように注意です!!

◆POINTS

  1. 目的と活用効果を考える
  2. 1をふまえて、Einsteinの力が必要なのかどうか

◆設定目的・弊社事例

  1. Einstein予測ビルダーで、顧客の離脱スコアを算出。顧客の離脱を事前に防ぎ、LTV向上へ
  2. Einstein予測ビルダーで、他商品クロスセル可能性の予測。効率的な商品提案へ

今回のステップ例では、第1目的『離脱スコア』に基づいて説明していきますね。
例が2つ存在すると説明が混乱してしまうといけませんので、クロスセル編は別でブログにUP出来るようにする予定です。

関連するオブジェクトの項目・運用状況の確認

Einstein_EPB_step3_02

このフェーズが意外と時間がかかりました。

『離脱スコア(第1目的)』を算出する際に、取引先オブジェクトの項目を条件に入れるのですが、古いものを合わせてカスタム項目だけで、130個以上、存在しました。

10年以上Salesforceを使っている、かつ、システム管理者が何度か変更になっていた為、そのように増えてしまったと思います。まず一旦、全部の項目をリスト化し、他部署の営業担当者に現状の運用状況を確認する必要があり、とても骨の折れる作業となりました。

余談ですが、当時のシステム管理者が、必ずしも「備考欄」に説明を丁寧に書いてくれる訳ではありません。

また古い項目は、担当者依存でネーミングもまちまちな場合も。とにかく、データ探偵のような作業が続きました。

大切なのは、項目の使用ステータスと運用状況を把握すること!

使ってない項目(謎項目)を条件に入れても、良くも悪くもEinsteinのモデルは作れてしまいます…

 そして、信頼できないデータを基にイマイチなアウトプットが出てきてしまう、その点が注意ですね。

こちらもぜひ併せてご参考下さい👉【AI予測の時代】Einstein予測ビルダーを導入する前の注意点

③予測における条件設定を定義する

Einstein_Prediction_step2_03

②を乗り越えたら、次の関所は③です。

上記のシート内のポジティブ例、ネガティブ例、スコアリングする該当レコードの対象等を決めていきます。

こちらをベースにして、Einstein予測モデルの設定をしていくので、とても大事な箇所になります。

今回弊社が設定した『離脱スコアモデル』は下記条件になります。

 

Use_case_Template_for_Einstein_Prediction_Builder_add2

 


★離脱スコア算出の条件例【Dataset】
:対象となるデータセット
 取引先(対象オブジェクト)

【Segment】
:Einstein予測分析の基となるサンプルデータ(学習元データ)
 商談が存在する取引先のみ
 (取引先ステージの「未取引」を除く)

【Positive Example】
 
:Einstein予測分析において「スコアが高い」と認識させる「プラス」の例
 既に離脱している
 (
離脱期間が240日以上)
 ※注意:離脱スコアの場合は、離脱例をポジティブの条件にいれます。

【Negative Example】
:Einstein予測分析において「スコアが低い」と認識させる「マイナス」の例
 離脱をせず、長期で契約が続いている 
 (契約期間が1年以上、かつ離脱期間が240日未満)

【Record to score】
:Einstein予測分析において、スコアリング対象となるレコード
  まだ離脱をしていないが、契約期間が短く今後が心配されるもの 
 (離脱期間が240日未満、契約期間が1年未満)

 

業界や業種によって、離脱の定義は様々だと思います。こちらは、あくまで参考程度になれば幸いです!

マックスヒルズでは離脱の定義を、離脱期間240日以上としています。

④不足する条件の項目をカスタム項目で作成

Modern notebook computer with future technology media symbols

STEP③の条件で不足する項目がある場合は、カスタム項目でEinstein予測ビルダー計算用に作成する必要があります。

③で例として上がっている、「取引先ステージ」「離脱期間」「契約期間」は全てカスタム項目です。

既存の項目で設定出来れば1番良いですが、難しければカスタム項目を作成しましょう。

取引先ステージについてはこちらをぜひ参考に👇

ロイヤル顧客をどう増やす?Salesforceの機能「Einstein Analytics」を使ってCPM分析をしよう

「【AI予測の時代】Einstein予測ビルダーの活用の10ステップ ~準備編~」如何でしたでしょうか?

Einstein予測ビルダーはまだまだ事例が少なく、中々思った通りに進まないことが多いと思いますが、今回このブログが役立ちましたら幸いです!

何事も最初の準備が大切ですので、ぜひこの準備編と前回の導入前の注意点ブログも参考にしながら、活用を検討してみて下さい。

マーケティングデザインでは、Einstein活用のご相談も受け付けておりますので、ぜひ気軽にご連絡下さい。

★6/3 Einsteinイベントのご案内★

Einstein_EPB_ivent

 

どんな小さな質問・ご相談でも構いません。まずは気軽にご相談ください。
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廣見 剛利
代表取締役社長

20代の頃から、営業会社の組織を率いるかたわら、営業の重要性を認識しながらも、営業の限界について自問自答をし続ける。30代でCRMとSFAに出会いその限界を打破する光が見えつつも、変革しなければならないプロセスの多さに愕然とする。40代に入りマーケティングオートメーションと出会い、見込み客獲得から、見込み客教育、商談化のプロセスの自動化について体現する。商談化前が自動化されることにより、商談後の生涯顧客価値を最大化させるプロセスの見える化、見える化による再現性のある営業組織づくりを実現。同じ悩みをもつ日本企業の解決策を提供すべく、マーケティングデザインを設立。詳しくはこちら

三宅 毅
CMO(最高マーケティング責任者)
2000年半導体部品メーカーに入社。企画部門にて3次元CADの導入などによる業務効率化を成功させる。その後、CAE専門企業に移り、マーケティング活動全般、2008年Salesforce導入プロジェクトに関わる。マーケティングの可能性を追求すべく、2015年にBtoBマーケティング専門エージェンシーにて、Pardotなどの最新のマーケテイングオートメーションツールの導入や各種業界を支援。2017年5月より現職マックスヒルズのCMOとしてマーケティング活動から、会社の生産性向上などHR部門も統括。また、マーケティングデザインの設立にも携わり、中小企業における人材の育成にもつとめている。 Salesforceの導入事例として関連会社のマックスヒルズで掲載されました。詳しくはこちら
柴沼 潤
データ サイエンティスト

2019年のはじめに入社し、Salesforce のEinsteinAnalyticsを活用した分析業務に取り組ませていただいております。ダブルワークしており、フリークライマーとしての活動の傍ら業務に取り組んでおります。マーケティングデザインでは私が取り組んできた分析業務の活用事例を紹介させていただくことで、営業支援ツールの導入・活用に役立つ情報を提供していきたいと考えております。機会があれば私自身の勤務の様子をご紹介させていただくかもしれません。ダブルワーク・テレワークといった勤務スタイルがどのように確立されているかなど、興味がある方々にとって有益な情報を発信できるように頑張ります。