執筆者:原 友香
CPM分析で顧客のステージを把握。「現役優良顧客」はどれくらい?
マーケティングデザインの原です!
AI分析が出来るSalesforceの機能「Einstein Analytics」で、
CPM分析を元に顧客ステージが把握できるダッシュボードを作成しました!
現役優良顧客はどれくらいの割合でいるのか、また離脱した顧客は一体どれくらいいるのか…
気になりますよね。デモを元に、どのように作成したのか紹介します!
◆目次◆
- 【復習】Salesforceの「Einstein Analytics」とは?
- EinsitenAnalyticsで顧客のステージを俯瞰
- CPM分析とは?10種のグループの分類
- CPM分析から次のアプローチ対象先を考える
- CPM分析とRFM分析の違い
- まとめ
【復習】Salesforceの「Einstein Analytics」とは?
Einstein Analyticsとは、AI(人工知能)を搭載し高度な分析が可能となった、Salesforceで注目のAI分析機能です!
今回は、デモとしてEinstein Analyticsでダッシュボード【CPM分析_取引先】を作成しました。
今回のブログを読み進めるにあたり、下記のブログを先に確認しておくことをオススメします。
今まで英語の紹介動画が多かったですが、満を持して、やっと日本語版も出たみたいですね!これは日本ユーザにとっては朗報です!
※まずは、導入としてこちらから確認することをオススメします!
第1弾⇒AIで高度な分析結果を!Salesforceの機能「Einstein Analytics」とは?
第2弾⇒Salesforceの機能、Einstein Analyticsを日本語で使う方法とは?
※ 【ダッシュボードの導入編】でダッシュボードの概要を確認しよう!
ダッシュボード機能について⇒【Einstein Analytics】のダッシュボード機能とは?
EinsitenAnalyticsで顧客のステージを俯瞰
下記のような悩みがありましたら、顧客のステージ管理・CPM分析をオススメします!
- 安売りなどのキャンペーンで、常に新規の顧客を獲得し続けていかないと、赤字になってしまう
- サービス・商品は悪くはないはずなのに、既存のお客様が除々に契約を解除する
- お得意様である「現役優良客」に対して、メルマガやニュースレターなど様々なナーチャリングをしているがうまくいかない
「取引先・顧客」の管理、なかなか難しいですよね。
CPMに基づいた顧客フォローを行うことで企業のファンを育て、一生涯付き合っていく顧客を育てることが出来るようになります。
今回は、下記の目的に沿って、ダッシュボードを作成しました。
目的①:顧客をCPM分析を使ってステージ分けをし、全体のバランス割合を把握したい
CPM分析を使って、顧客を10ステージに分けそれをバブルチャートでダッシュボードに表示させます。
そうすることによって、全体のバランス間を瞬時に把握することができるので経営者やマネージャークラスの方に重宝されます。
目的②:休眠顧客となっている層に対して、インサイドセールスの再アプローチリストに活用する
目的①で実現した全体像を元に、インサイドセールス部隊のアプローチ戦略を考え直すのが良いと思います。
CPM分析とは?10種のグループの分類
目的①を達成する為に、EinsteinAnalyticsのダッシュボード【CPM分析_取引先】を作成します。
CPMとは、顧客ポートフォリオマネジメント(Costomer Portfolio Management)の略です。
この理論に基づいた顧客フォローを行うことで、企業のファンを育て、一生涯付き合っていく顧客を育てることが出来るようになります。
CPM分析では、顧客の「購買行動」と「経過日数」を基準に、顧客の状態を「現役or離脱」の10パターンに分類します。
顧客の状態と、顧客のステージをかけ合わせた、計10グループに分類します。
下記は、一般的に言われている参考条件です。細かい条件設定は、サービスによって調整する必要があります。
◆顧客の状態
現役:離脱期間が240日より少ない
離脱:離脱期間が240日以上
◆顧客のステージ
初回客 : 初めて自社の製品を扱うので、また会社や商品について理解が浅い。(在籍期間=0日)
よちよち客: 90日間の間に2回以上購入してくれているが商品のこと、自社のことを分かり切ってはいない。
流行客 : リピート客になって日が浅い。短期間で派手に買ってくれている。(ただし他社のキャンペーンに流されやすい)
コツコツ客: 長期にわたってコツコツと購入してくれている。目立たないが、フォローが大事(大事な顧客層)
優良客 : このお客様のおかげで自社の売り上げが達成出来ているようなもの。彼らは自社のファン!
◆現役◆
①現役・初回客 :設定期間内で、初回のみの購入実績がある顧客
②現役・よちよち客 :設定期間内で、2回以上の購入実績がある顧客
③現役・流行客 :短い期間内で、設定された金額以上の購入実績がある顧客
④現役・コツコツ客 :設定期間内で、安定したリピート購入の実績がある顧客
⑤現役・優良客 :長い期間内で、ある特定金額以上の購入実績がある顧客
◆離脱◆
①離脱・初回客 :設定期間内で、初回のみの購入実績があった後、離れてしまった顧客
②離脱・よちよち客 :設定期間内で、2回以上の購入実績があったが、離れてしまった顧客
③離脱・流行客 :短い期間内で、設定された金額以上の購入実績があったが、離れてしまった顧客
④離脱・コツコツ客 :設定期間内で、安定したリピート購入の実績があったが、離れてしまった顧客
⑤離脱・優良客 :長い期間内で、ある特定金額以上の購入実績があったが、離れてしまった顧客
このように分類して、10ステージの割合を確認しましょう。
SalesforceのEinsteinAnalyticsで作成したダッシュボードでは、下記のようなバブルチャートで表示させました。
バブルチャートで作成することによって、全体の割合を把握することが視覚的が可能です。
上部に検索ウィンドウを設置することで、業種や商品ごとにフィルターをかけることも出来ます。
リアルタイムのデータを、ドリルダウン表示し、詳細を深堀りできることが強みです。
これで、ダッシュボードを作成し【目的①】を達成することが出来ました!
CPM分析から次のアプローチ対象先を考える
次は、【目的②:休眠顧客となっている層に対して、インサイドセールスの再アプローチリストに活用する】について考えます。
CPM理論として、理想とする顧客の流れは、「初回客」⇒「よちよち客」⇒「コツコツ客」⇒「優良客」です。
長期に渡ってお客様との信頼関係を築きあげるファンづくり、といった事を大切にします。
ここで注意したいのが「流行客」の存在です。一見、短期で大きな取引をしてくれた優良な顧客のように思えますが、魅力的な競合他社のキャンペーン・価格競争に負けた際には、あっさりと乗り換えられ、すぐに「離脱」となってしまう可能性があります。
よって、アプローチの例としては、下記が考えられます。
-
「離脱・優良客」に対して、「現役・優良客」のステージに戻ってきてもらう
-
「現役・コツコツ客」を「現役・優良客」にステージUPさせる
-
「離脱・コツコツ客」に対して、「現役・コツコツ客」のステージに戻ってきてもらう
これを元に、「離脱・優良客」「現役・コツコツ客」「離脱・コツコツ客」にわけたリストを作成します。
インサイドセールス部隊の役割としては、それぞれの段階にあった新しいキャンペーン施策や提案を実施する。
そして、「現役・優良顧客」(=ファン層)の母数を、最終的には増やしていくことに注力する必要がありますね。
CPM分析とRFM分析の違い
今回のEinstein分析では「CPM分析」を活用しましたが、顧客分析の手法として他によく挙げられるのが「RFM分析」です。
違いについて、少し補足しておきます。
RFM分析では、下記のの3要素に注目して顧客を分類します。
①Recency(最新購入日)
②Frequency(累計購買回数)
③Monetary(累計購買金額)
3つの指標で顧客を評価し、「優良客」「見込み客」「新規客」「離脱客」等に分類して、離脱客以外の顧客に積極的にアプローチする為の分析手法です。
CPM分析とは違って、「今商品を購入してくれている顧客」を優良客とみなして、そこに積極的なアプローチやマーケティング施策を行うのがRFM分析の特徴です。
リピート率の高い顧客を選別してアプローチするということで、短期的な利益に繋がります。裏を返すと、1度、離脱客になってしまうと、アプローチが困難になるということ。
短期的な売上UPを考えるなら、RFM分析を選択、
離脱客も含めて、中長期間にわたり顧客との良好関係を築いていくという観点ではCPM分析を選択するのが良さそうですね。
まとめ
今回のブログ、いかがでしたでしょうか?
新規の取引先を見つけ、信頼関係を築いていくことは、ものすごくパワーがいることで、とても大変です。
このタイミングで、既存のお客様の状態(顧客ステージ)を分類して、把握しておくのもよいと思います。
いつもお世話になっているお客様を大切にすること、
また、小さい取引でも継続してリピートしてもらうこと、既存のお客様を離脱をさせないことが重要になっていきます。
その層がどれくらい存在するのか、全体的なバランスを把握するのに、EinsteinAnalyticsのダッシュボードを今回事例として活用しました。
適切なCPM分析で、貴社のファンを増やしていく施策のヒントになればと思います。
それでは次回のアインシュタインシリーズもお楽しみに!
第1弾⇒AIで高度な分析結果を!Salesforceの機能「Einstein Analytics」とは?
第2弾⇒Salesforceの機能、Einstein Analyticsを日本語で使う方法とは?
※ 【ダッシュボードの導入編】でダッシュボードの概要を確認しよう!
ダッシュボード機能について⇒【Einstein Analytics】のダッシュボード機能とは?