マーケティング ブログ

これからの日本に必要なマーケティングとは?

執筆者:原 友香

  

マーケティングオートメーション(MA)の可能性

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Pardotを使用するユーザが集まるコミュニティ

関西Pardotユーザ会」に参加をしました!

今回は特別にシンフォニーマーケティング株式会社の庭山一郎さんと、

株式会社才流の栗原康太さんの貴重なマーケティング講演をレポートします

 

 ◆目次◆

  1. はじめに
  2. 【講演①】日本のBtoB企業が取り組むべきマーケティングとは
  3. 日本企業でもデマンドセンターが必要な理由
  4. 米国から15年遅れている日本!?
  5. 【講演②】BtoB企業向けのマーケティング支援サービス
  6. MAツール利用の実態サマリー
  7. パネルディスカッション

  

はじめに

 先日の3/7、Pardotを使用するユーザが集まるコミュニティ「関西Pardotユーザ会」に参加をしました!

今回は特別にシンフォニーマーケティング株式会社庭山一郎さんと、株式会社才流栗原康太さんの講演がありました。

マーケティング従事をしている私としても、大変勉強になる会となりましたので、今回はブログで一部紹介をしていきます。

また、最後にはPardotユーザー発信の質問に、お二方が答えていくパネルディスカッションもあり、より具体的な参加者の悩みや課題をシェアする時間がありました。

同じマーケティングオートメーションツール「Pardot」を使っていても、業種や業態は様々。しかし、共通の悩みもあり、それにどう改善・対応していくか今後の手腕が問われているように感じました。

 

【講演①】日本のBtoB企業が取り組むべきマーケティングとは

 

シンフォニーマーケティング株式会社庭山一郎さんの講演から始まりました。

マーケターとしてまだまだ新米だった時に、上司に最初に薦められたのは、庭山さんの本でした。

大変読みやすく、面白かったのを覚えています。

講演の冒頭では、「長年やってきているが、1秒もマーケティングに飽きたことがない」との事!

20数年やっている中で、そこまで言い切ってしまうとは....マーケティングに対する並々ならぬ情熱が伝わってきました。

 

 そんな庭山さんが今回の講演で強調されていたのこれからの日本組織における「デマンドセンター」の必要性です。

耳馴染みがない方もいらっしゃると思いますので、「デマンドセンター」とは何か、を解説していこうと思います。

 

 

日本企業でもデマンドセンターが必要な理由

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 「デマンドセンター」とは営業機会の創出を目的にした組織のことです。

企業が新規商談や顧客を生み出す為、積極的な展示会出展やメールマガジンの配信、Webサイトからのデータ収集をしているケースの課題としてありがちなのが、「収集しただけ」で終わっていることです。

収集したデータを活用することで営業案件の創出につなぐことを担うのが、「デマンドセンター」。社内に分散している顧客・見込み客データの統合管理が重要となります。

こういった、難易度の高い広範囲のプロセスを担当する為には、マーケティングの専門性が高い「組織=デマンドセンター」と、膨大なデータを扱える「ツール=マーケティングオートメーション(MA)」が必要ですね。

1分1秒単位で変化する何万ものレコード情報をエクセルシートといったもので、情報を追い、キャッチし、メンバーに共有することはテクノロジーなしでは限界がきています。

 

デマンドセンターとは?

marketing_pardot_user_demand_center_06参考:https://marketing-campus.jp/word/ta/029.html

 

米国から15年遅れている日本!?

 

BtoBマーケティングにおいて、「米国から15年遅れている日本」というお話がでました。割と、衝撃ですよね。

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上の写真は、Ansoff Matrixの図です。

日本がなぜ遅れをとった理由は、Ansoff Matrixにおける【既存×既存(赤色部分)】の取引が戦後、約50年続いたことが原因だ、と庭山さんがおっしゃっていました。

”既存顧客と既存商品の組み合わせ、ここだけでも十分、企業が成長できた事実がありました。そうすると、良くも悪くも、こういった引き合い依存のセールスでは、マーケティングが必要ないのです。”

以前の営業スタイルでは、長年お世話になっている取引先に出向き、言われたことを一生懸命やっておけば、営業の業績を保つことが出来たかもしれません。しかし、縮小する日本のマーケットの中では、もう限界が来ているようですね。

 

今後の日本企業の課題・対応策

 

👉これからは、会ったことがない人に会って、商談のアポイントを取っていかなくてはならない!  

 ・飛び込み営業や突然のテレフォンアポイントは、門前払い。今までの営業スタイルでは、もう限界に来ている…

👉【有効な対応策】マーケティングオートメーション(MA)を活用した、デマンドセンターを設置する

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  • アナログな営業では、肉体的、時間的制約がありリソース的限界があります。
  • 一方、デジタルである「デマンドセンター」はWeb上で24h対応可ですし、特にリソース的な際限はありません。

 

セキュリティなどの問題で簡単に飛び込み営業などといった手法が使えなくなっている現代では、デマンドセンターで、需要ニーズの「変価値」を拾えるように、データを収集・統合することが重要です。

そうすることで、どの情報どの部署どの悩みなどを動向を、デマンドセンターから教えてあげることが出来き、結果、面識のないところから案件が生みだすことが可能なのです。 

営業は、顧客を「点」ではなく、デジタルツールを使って、「面」で掴んでいくといったイメージをもつと良いでしょう。

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また、「デマンドセンター」がうまく機能する為には、魅力的なコンテンツを外部に見えるようにしておく必要があります。
質の高いコンテンツ(プロダクトの強みを可視化、ブログ、ノウハウや知見etc)といったものを作り続けることも企業の課題となってきます。

 

 


【講演②】BtoB企業向けのマーケティング支援サービス

 

 次の講演では、株式会社才流の栗原さんのが登壇されました。

 栗原さんは、BtoB企業向けのマーケティング支援サービスを行っており、「エンジニアは存在するが、マーケティング担当者や仕組みがない」といったような企業様向けにマーケティングの代行をしていますとのことでした。

 

ご紹介

株式会社才流 栗原 康太さん

★プロフィールはこちら⇒https://sairu.co.jp/aboutus/

 そんな栗原さんが今回の講演では、マーケティングオートメーション(MA)利用の実態について、導入済企業へのヒアリングを元に、具体的な発表をして頂けました

マーケティングオートメーション(MA)はあくまでツール。生かすも殺すも使い手だな、といった印象で大変勉強になりました!

 

MAツール利用の実態サマリー

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マーケティングのツールを多様に採用していても、それぞれが独自に動いており、「マーケティング戦略」「施策の立案」「体制作り」がしっかり出来ていない企業が多いそうです。

根幹が抜けている状態、つまり「ドーナツ化」状態になっているとおっしゃっていました。

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栗原さんが実際に導入済企業へのヒアリングを元に、「MAツール利用の実態サマリー」をまとめた結果がこちらです。

確かに、MAには、多くの機能が備わっています。私個人として意外だったのが、使われていない機能としての「スコアリング」「シナリオ設計」です。シナリオに関しては、「設計が難しい。シナリオの妥当性もわからない。」とのアンケート意見があるようでした。

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また、マーケティングオートメーション(MA)が機能する条件についても、具体的に説明して頂けました。

ツールはあくまでツールです。導入しただけでは社内で上手く機能しませんよね。体制面などの条件も、本気でやる必要があることを

再確認しました。

MAがワークする条件

  1. リード数が10,000件以上
  2. 毎年5,000件以上の新規リードが供給される
  3. 月1本以上のコンテンツ作成体制
  4. ほぼフルコミットのMA運用担当者
  5. インサイドセールスの体制
  6. スコアリング、シナリオを設計できるイケてるマーケチーム

  

MAがワークしない条件

  1. リード数が10,000件未満
  2. 新規リードの供給が数百件/月未満
  3. コンテンツ作成体制がない
  4. MA運用担当者がいない
  5. インサイドセールスの体制がない
  6. 社内にマーケティングの知見がない

  


パネルディスカッション

 

 最後には、Parodotユーザからの質問に、庭山さんと栗原さんが回答する、パネルディスカッションの時間がありました。

事前に質問を投票し、「いいね!」の数が多いものから答えて頂きました。今回は1件、ピックアップしてご紹介します。

 

会場からでた質問

 展示会後の顧客育成方法のアイデアを頂きたいです。

弊社は産業機器メーカーですが、高価格長寿命製品のため、工場拡張などの話がなければ購入頻度(製品更新頻度)は5~10年に一度ということもほとんどです。展示会で見込み顧客を獲得しても、継続フォロー手段がメルマガ配信しか見出だせていない状況です。

 【庭山さん:回答】

展示会で出会ってトントン拍子にすすんでも量産の発注は3年後5年後とかは、普通です。 
その年に集めた名刺が、すぐにその年の発注になることはありません。産業機器であれば、3~5年のスパンで種まきをする、といった気持ちで展示会は望みましょう。

コンテンツには、リードを枯らすコンテンツとリードを作り出すコンテンツがあります。
読み手にとって、メリットのある事例や、有意義な情報提供をして、その中で自分のところを評価してもらえるコンテンツを出すのが良いでしょう。

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 【栗原さん:回答】

メールだけで、ナーチャリングは出来ないと思うし、難しい。個人的には、メールで見込み度高まったなという感覚はあまりありません。興味を持つ第一歩とかで、おもしろいコンテンツを配信したら関係性は強くなるけど、育成みたいなのは無理なんじゃないかな?という印象です。

育成するにあたっては メールではなく別の接点で、セミナーとか電話とかそういうところで行います。インサイドセールスでお客様の課題感をヒアリングも大事です。

他社さんも、そういう風にやられているので、優先順位を高く実施したほうがいいですよとかアドバイスをしたり。ヒアリングをしっかりし、相手の課題解決、つまり問題を解決する情報をもっていて、それを提供できる事が大切です。

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如何でしょうか。以上が、セミナー当日の様子でした。内容が濃く、全てについて書くことが叶いませんでした…

登壇された庭山さん、栗原さんをはじめ、セミナー運営担当者からも、快くブログ掲載の許可を頂きありがとうございます!

セミナーでもお話がありましたが、マーケティングに関して米国から15年遅れている日本、そして、旧式営業スタイルの限界など、全体的にみても、現場レベルでみても、厳しい現実があります。

それを踏まえ、マーケティングや、マーケティングオートメーション(MA)に関して興味を持ち、また、何か次の一歩を考えるきっかけとなりましたら幸いです。

テクノロジーの活用で、ワークスタイルが有意義で効率的なものになりますようにと願いを込めて。

 それでは次回のブログもお楽しみに!

  

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廣見 剛利
代表取締役社長

20代の頃から、営業会社の組織を率いるかたわら、営業の重要性を認識しながらも、営業の限界について自問自答をし続ける。30代でCRMとSFAに出会いその限界を打破する光が見えつつも、変革しなければならないプロセスの多さに愕然とする。40代に入りマーケティングオートメーションと出会い、見込み客獲得から、見込み客教育、商談化のプロセスの自動化について体現する。商談化前が自動化されることにより、商談後の生涯顧客価値を最大化させるプロセスの見える化、見える化による再現性のある営業組織づくりを実現。同じ悩みをもつ日本企業の解決策を提供すべく、マーケティングデザインを設立。詳しくはこちら

三宅 毅
CMO(最高マーケティング責任者)
2000年半導体部品メーカーに入社。企画部門にて3次元CADの導入などによる業務効率化を成功させる。その後、CAE専門企業に移り、マーケティング活動全般、SFA導入プロジェクトに関わる。マーケティングの可能性を追求すべく、2015年にBtoBマーケティング専門エージェンシーにて、Pardot、Marketo、Hubspot、シャノンなどのマーケテイングオートメーションツールの導入や各種業界を支援。Pardotは、日本に入ってきた当初からサポート。 2017年5月より現職のCMOとして紹介キャンペーンツール「 KUCHICO PREMIUM」や 店舗集客支援のマーケティング活動、2018年4月にはインサイドセールスの立ち上げ、ITを駆使した会社の生産性向上などHR部門も統括。また、同時に、中小企業におけるマーケティング支援、SFA支援や構築、人材の育成にもつとめる。Salesforceの導入事例として掲載されました。詳しくはこちら
柴沼 潤
データ サイエンティスト

2019年のはじめに入社し、Salesforce のEinsteinAnalyticsを活用した分析業務に取り組ませていただいております。ダブルワークしており、フリークライマーとしての活動の傍ら業務に取り組んでおります。マーケティングデザインでは私が取り組んできた分析業務の活用事例を紹介させていただくことで、営業支援ツールの導入・活用に役立つ情報を提供していきたいと考えております。機会があれば私自身の勤務の様子をご紹介させていただくかもしれません。ダブルワーク・テレワークといった勤務スタイルがどのように確立されているかなど、興味がある方々にとって有益な情報を発信できるように頑張ります。